初めに
人生で初めての転職に伴い、有給休暇中に比叡ボルダリング遠征を計画した。
岐阜で1人暮らしをしていたが、一度実家のある兵庫に帰り、そこからフェリーを使わずに車で約10時間かけて宮崎まで。距離にして約770km。
日程は下記の通り
- 2022/11/25(金):【出発】
- 2022/11/26(土):トライ1日目
- 2022/11/27(日):トライ2日目
- 2022/11/28(月):トライ3日目&【帰宅】
- 2022/11/29(火):予備日
片道約10時間の移動となるので、計5日間の内、実質2日間は移動日となりトライできるのはヨレ具合も考えながら、2日〜3日ぐらいになる計画だ。
必需品は、比叡ボルダリングエリアのトポ🔽
行きたいエリアがあると先にトポを買ってしまうタイプの人間なので、実はニュージーランドのCastle Hill(キャッスルヒル)のトポも既に持っている(笑)
出発〜トライ1日目(11/25,26)
7時半に実家を出発。
ここからノンストップでも到着は、17時半。
移動日と割り切っていたので、2~3時間に1度休憩を入れながらゆっくりと現地へ向かった。
人生初の片道10時間以上の運転となるので、不安もあったが無事19時頃に宿泊先の菅原公民館に到着。荷物を下ろして、運転疲れをとるために日之影温泉駅へ♨️
温泉でしっかり疲れを取って、夜ご飯はクライマー仲間SGOさんおすすめの『左近』という居酒屋へ。日之影温泉駅から車で5分ほど。
地鶏の炭火焼きが単品メニューだったが定食にもできるということで定食にしてもらった。
絶品!
公民館に戻り、お手製寝床を作成して就寝。意外とぐっすり眠ることができた。
菅原公民館
事前にFacebookの比叡ボルダリングアカウントに記載のある新区長:菅原さん(2022/11/25現在)の連絡先に電話して、予約が可能。
事前に予約を入れておくと、区長さんが鍵を開けておいてくれる。
🔽施設紹介🔽
料金:1泊1,000円(最初か最後にまとめて支払い)
住所:宮崎県延岡市北方町菅原(googleマップだと『菅原公民館下』で検索するとピンポイントで案内してくれる)
広さ(寝室):6畳間畳or16畳フローリング→宿泊者が2組だと各々の部屋に分かれるが、それ以上になると16畳のフローリングは相部屋になる模様。
その他設備:トイレ・共用キッチン(お皿なども利用OK)・電子レンジ・冷蔵庫・エアコン・テレビ・貴重品は自己管理
菅原公民館↔︎タブの木エリア駐車場:車で約5分
菅原公民館↔︎最寄りのコンビニ:車で約10分
菅原公民館↔︎最寄りの温泉:車で約20分
✳︎最寄りのコンビニは『ヤマザキショップ日之影店』(ファミマ希望なら『ファミリーマート日之影癒しの森入口店』公民館から約20分)
✳︎最寄りの温泉は『日之影温泉駅』:別の温泉(天岩戸の湯・ふなの湯)も翌日以降に行ってみたが、ここが個人的にはベストだった。理由としては、入浴料500円でジェットバス・サウナ・露天風呂ありで、距離もエリアから一番近いこと。
前日に食料関係はコンビニで買い出ししておくと冷蔵庫もあるので、エリアから外に出る必要がなくなり便利。
ホテルなどの宿泊施設に泊まる派の人からすると少し気が引けるかもしれないが、普段から車中泊などするクライマーにとっては、リーズナブルで設備も充実しているのでかなりおすすめ。
注意点としては、コンビニ・温泉共に営業終了時間が早いこと。
日之影温泉駅:21時終了(最終受付20時半)
ヤマザキショップ日之影店:21時閉店
トライ1日目(11/26)
デルビヨ(タブの木エリア)
いよいよトライ1日目。
クライミングを始めた頃からずっと憧れていたデルビヨという超カッコいい課題をトライするために、まずはタブの木エリアへ向かう。グレードは三段+。
この遠征で必ず登って帰りたい課題であり、むしろこれを登るために来たと行っても過言ではないぐらい憧れている課題だった。
いつも岩に向かう時は、最高のオブザベをしているので理想プランは、デルビヨをFLしてlowスタートのカリユガ(四/五段)も完登。(大体、トライを開始すると現実に戻されるのだが、、、笑)
そして、ファーストトライ。
いつも以上にアップを入念にして臨んだが、呆気なく3手目の距離だしで落ちる。
まだ身体が十分に温まっていなかったからか?そんな言い訳をしながら、トライを続け、ようやく3手目を止めることができたのが9トライ目。
核心であろうランジパートで落ちる。
その後も、3手目取りのコツを掴むことができないままひたすらトライを続け、19トライ目で右足ヒールに力が入らなくなり、敗退。
結局3手目はこの日1度しか止めることができなかった。
後から思い返せば敗因は、
- 焦りのせいでトライの感覚が短くなりすぎたこと
- 分析力不足(なぜ落ちたのか・なぜ距離が出ていないのか)
だったと思う。1トライ1トライをもっと大切にするべきだった。
酒越しの舞・エピック(大谷エリア)
なかなか諦めがつかなかったが、流石に右ヒールがかからなくなってきたのでエリア移動を決意。トライしてみたかった酒越しの舞【1級】とエピック【二/三段】に狙いを定めて大谷エリアへ車で移動。
なんとまあ、この岩も迫力がすごい!比叡の岩場は、岩のスケールが圧倒的。課題数も豊富で心の底から近くに住みたいと思った程だった。
エリア移動後、まずは酒越しの舞【1級】をトライ。
岩の高さを感じながら、綺麗なクラックに沿って登っていくライン。上部には大きなガバがあるのでトップアウトは問題なかった。FL。
次にエピック【二/三段】をトライ。
先程の酒越しの舞と同じ面だが、さらに高さのある部分を登るので緊張感が増す。
誰か他のクライマーがいるだろうと思っていたが、結局デルビヨに続いてここでもソロでのトライとなった。マット位置を調整しながらトライ開始。
ハイボールの難しい点の1つとして、バラしができないことが挙げられる。
徐々に高度を上げていき、4トライ目でガバどりに成功し、そのまま完登。3トライ目は高さの恐怖に負けてしまったトライだったが、安全第一なのでこれぐらいがちょうどいいだろう。
デルビヨに敗退し、苦い初日となったがなんとかエピックを登ることができたのでメンタルを大きく崩すことなく、翌日のトライに備えることに。
この日は、公民館から車で35分程の距離にある天岩戸の湯へ。
サウナ室が綺麗で、香りもよかった。風呂上がりに畳のスペースでストレッチできる点もグッド。しかし、公民館から少し遠いのがネック。
トライ2日目(11/27)
この日は、Instagramで繋がっていたKさんとDMでやりとりをしていて、ソロではトライが難しい課題だと思っていたタブの木エリアの月読【三段+】をトライするとのことだったので、こんな絶好の機会はないと思いセッションさせてもらうことに。
月読(タブの木エリア)
比叡を代表する高難度課題アマテラス【五段】と同じ天照岩にある課題。これまた迫力がすごくて、見た瞬間から登攀意欲が唆られた。
Kさんは既にムーブが完成しており、この課題を登るためにトレーニングを積んできたという。スタートから強度が高く、アドバイスをもらいながら徐々にムーブを構築していく。
残置の脚立を使って、上部の繊細なパートをバラすこともでき、スタートからの本気トライを開始。かなり惜しいところまで進むことができたが、決め切ることができず敗退。
せっかく片道10時間かけて比叡まで来たから、他にもっといろんな課題を触ろうかとも思ったが、やはりデルビヨをどうしても登りたいという気持ちから、この日はここでトライ終了。午後はレストにして、明日のデルビヨに備えることに。
時間ができたので、車を45分ほど走らせて延岡市内の『お風呂とサウナ ふなの湯』へ。
外観がとても綺麗なのと名前に惹かれてチョイスして期待しすぎたせいか、個人的にはイマイチだった。やはり近くて安い日之影温泉駅が最強という結論に。
しかし、晩御飯でチョイスした『元祖チキン南蛮 直ちゃん』は大当たり。延岡市内まで出てくるならかなりおすすめ!タルタルソースのないチキン南蛮。
訪問時、待ちの列ができており2組遅かったら食べれていなかった。どうしても食べたい場合は、早めの訪問がおすすめ。
コンビニに寄って、食料を調達し明日に備えて早めの就寝。
トライ3日目(11/28)
トライ最終日。再びデルビヨに挑む。
この日は、5トライ目で苦手パートの3手目を止めることができそのままランジへ。
おや?これは想像以上にランジも悪いぞ。。。
落下点が予測しやすかったので、マットを積んでランジのパート練習をしてみることに。
4回飛んだが1度も止めることができず。いよいよ可能性を感じなくなってきた。
気を取り直して、スタートからトライ再開。
9トライ目には右ヒールが上がらなくなり、絶望の敗退。
通算トライ回数:28トライ。
その内3手目を止めれたのが2回だけ。
苦手パートについて。全くできない訳ではなく、できるトライがある。できるトライとできないトライの分析力が足りなかった。また、マットの枚数と配置からソロでランジパートのバラしはできないだろうと思っていた。しかし2回目のランジ突入時にバラせることに気づく。もっと早く気づくことができればよかった。
悔しい敗退となったが、今の自分に足りないものを気づかせてもらえる良い機会となった。
まだ午後の時間もあったが、想像以上に体力を削られていて他の課題をトライする気力も残っていなかったので、次回の遠征のためにヤケダケエリアとカランコロンエリアの課題を確認して終了。
次回はデルビヨのリベンジを果たして、この辺りの課題も楽しみたい!
総括
大本命課題であるデルビヨに敗退し、苦い思い出の比叡遠征となったが、そこから得るものも大きかった。次はいつになるかわからないが、必ずリベンジをしたい。
この悔しさを忘れないように、これからのトレーニングは今まで以上によく考えて1トライ1トライを大切にしていこうと思った。
また、現地でお会いしたコンビニ店員さん・居酒屋店員さん・温泉従業員さんなど会う人みんな穏やかな感じで、宮崎の人の良さを感じることができた。
あまり多くのクライマーと出会うことはなかったが、お会いした方々・セッションしてくださった皆さんありがとうございました!